お寺からのメッセージ

2024

10神無月

October

十善戒

 

仏前勤行次第には、仏教の「十善戒」(守るべき十の教え)が説かれています。

この身今生より 未来際をつくすまで 十善のみおしえを守り奉らん

弟子某甲 尽未来際 不殺生

不偸盗 不邪淫 不妄語

不綺語 不悪口 不両舌

不慳貪 不瞋恚 不邪見

人は生まれながらに口の中に斧が生えている。愚かな人は他人の悪口を言っては、それで自分自身を切っている、と「スッタニパータ」にはあります。「不両舌」とは二枚舌を使わないこと、人の悪口を言わないことです。両舌とは両刃の斧のことでもあります。口の中の斧で自分を斬る、というお釈迦様がおっしゃったことです。

人の悪口を言っていると、清い心を自分で傷つけ、口から出る言葉もどんどん汚れて、悪い言葉が多くなることの戒めです。悪口は、相手を傷つけ、自分の心を傷つけ、自分の心を汚してしまうという仏教の教えです。

悪口は、自分で気づかないうちに、口の中は傷だらけ、そして心も傷だらけにしてしまいます。悪口を言われた人は、もっと心が気づつけられてしまいます。自身の心も、他者の心も傷つけないために大切なことの一つです。

 

東京 大安楽寺 大野真弘