2019 年
2月 如月
February
「衆生癡暗にして自ら覚るに由しなし。如来加持してその帰趣を示したもう。」
今年は平成最後の年、年号がかわることにより、新たな歴史の幕開けとなります。
さて、日本が建国して2670年になるとされています。この長い歴史の間、人々は成功や失敗を重ね、苦のない安らかな人生や国を目指し正しい道を歩み続けてきたと思います。しかし、一方では愚かな自分でも悟りという救いを得られるのかと不安を抱いた人は多いのではないでしょうか。
今や時代は大きく進歩し、便利さや快楽を求め、世俗の垢にまみれた世の中、私達は悟りを得られるのか疑問に思います。
お大師様は、「凡人は愚かで真実に気づかず、自分の力だけで悟ることはできないものだからこそ仏が力を貸して悟りにいたる道を示してくれるのだ」と言っています。
「加持」とは仏がその不思議な力で人々を守ること。密教では、とくに仏の力と人々の信心が相応じて一体となることを言います。
大事なのはやはり信じる心、家族、友人、愛する人を信じ、人生で自分をよりよくする道を信じて一歩一歩進む。そうすれば見えない大きな力が導いてくれます。
合掌
長野 永福寺 白馬実円