2018 年
1月 睦月
January
「六大無碍にして常に瑜伽なり」
全ての世界の構成要素といわれる、六大(地大・水大・火大・風大・空大・識大)が、それぞれ個別に存在するのではなく、お互いがつながり合い、影響を与え合うことにより、この世界は存在しているのです。
しかし、私たちは,どうしても自己と他者を区別してしまうものの見方をしています。自分以外のものを、好きだとか嫌いだとか、または、自分とは違うものの見方や意見を言う人を、素直に受け入れられなかったりしますが、実は、私たちは、そのような人々と、影響を与え、つながり合いながら、存在しているのです。
最近機会があり、家庭菜園を始めましたが、この野菜を育てるのにも、ただ種をまくだけでは、上手に育ちません。太陽の光であったり、雨であったり、自然の環境や、肥料などの人の手などを加えるなど、多くのものがかかわることにより、おいしく立派な野菜が出来上がるのです。
お大師さまは、六大が働き合っている生命そのものを大日如来さまであるとおっしゃっています。
ですから、私たちは、自分自身が、個別に存在しているという、独りよがりな考え方ばかりではなく、私たちは、すべての尊い存在と関わり、つながり合うことで、この世界の中に、生きているのだと思えれば、自然と周りの環境や、人々に感謝する気持ちがわき、自身を知る一因になるのではないでしょうか。
栃木 薬定寺 齋藤幸榮