お寺からのメッセージ

2025

1睦月

January

心暗きときは、即ち遇うところことごとく禍なり。眼明らかなれば途にふれて宝なり

 

先日このような話を聞きました。職場によく言い争いになる二人がいるそうです。その一人の言い分は「あの人は自分が駄目だと言っていることを自分でもやっているのに、そのことを棚に上げて話をしてくる。そんな自分の勝手な考え方が嫌だ」というものです。

でももう一方の人も全く同じことを周りにもらしていたそうです。お互いが相手を同じように嫌だと感じているのです。相手のことを同じように嫌だと感じているのです。相手のことを嫌だと思うあまりに自分自身が見えなくなっている。これでは二人がぶつかっても当然と言えるでしょう。

日々忙しく生活をしていると自分自身を見つめなおす機会はなくなっていくものです。時には立ち止まって自分の行動を振り返ってみてください。そしてダメだと思うことを直していく。そうやって自分が変わらなければそういった環境は変わりません。

お大師さまも環境というものは、自分の心の在り方によって変化するものであると『性霊集』にておっしゃられています。自分の心次第で環境は変えられるのです。

 

福島 飛龍寺 浦川龍弘