お寺からのメッセージ

2025

10神無月

October

「わたしたちのお大師さま像」

 

桓武天皇の皇子でありながら臣籍(臣下)に下ったた良岑安世(よしみねのやすよ)はお大師さまと親交が深かった人物の一人です。

安世はお大師さまが高野山に籠っていた際に、都に戻るよう促す手紙を送っています。それに対してお大師さまは霊山高野山の素晴らしさと僧侶としての生き方を記し、返答されています。以下はその抜粋です。

「我名息悪修善人」(われをばそくあくしゅぜんのひととなづく)『性霊集』

私(空海)は悪をやめ善を修する沙門(修行者、努力する者)です。

わたしはこの一文を読むとき自分の心のお大師さまが浮かんでくるのです。お大師さまは人が人として生きていく中で基本であり大切なことを心の中心に置いて生きておられるのだ。そして真言宗の教えを通して救いを求める多くの人たちの為に活躍されておられるのだと。

心にあなただけのお大師さま像があると思います。あなただけのお大師さまに近づけるように心がけていきましょう。心穏やかな境地に至れるはずです。

 

相模 金蔵院 日置隆晋