お寺からのメッセージ

2025

3弥生

March

「相互供養」

 

よく二択を迫られることがありました。仕事とプライベートどちらが大事か。檀家と自分どちらが大事か。若いころその問いに大事なのは仕事でなければならないと思っておりました。無理だと思うことにも向き合う。何度か体やを壊し、しばらくして気が付いたことは「両方大事」。自身の心や体が健康でなければそもそも仕事にならない。他者のお話を聞くこともできない。
学生の頃、漢文講義で「相互供養」に触れ感動したことを覚えています。そこには地位やそれぞれ異なる立場においても互いに敬い感謝や思いやりで広がる三十七尊のほとけさまで成り立つ曼荼羅世界がありました。
仕事においては上司と部下。家庭では親と子、夫と妻、日本社会では年上をを敬い立てます。また年上の方々も若い方を時には厳しく時には寛容に守り導いてくださいます。自身を顧みて相手を知り想いを想像することで双方を大事に高め養い合う。
日常生活を始めとして友人関係やどの仕事についても、この曼荼羅の世界観を軸としていきたいと感じました。今も自身の基盤となっています。

東群馬 薬王寺 後藤阿耶