お寺からのメッセージ

2025

6水無月

June

「自分の命も、相手の命も限りがあります。そう思うことで『人を心から愛する』気持ちが生まれてきます」とお大師さまは仰っています。

新聞やテレビを見ていると物騒な事件が頻発しています。縁もゆかりもない人を殺める事件が起こっています。「高齢者は集団自決すべきだ」などと耳を疑うような発言をする学者がいます。

公園での子どもの遊び声がうるさいと言ってクレームを付け、廃園に追い込んだ元大学教授がいます。

保育園の建設に反対するデモをテレビで見ました。反対者の多くは案に相反して高齢者たちでした。

ファミリーレストランで赤ん坊が泣きだしたら、周囲に必死で謝っている若い母親がいました。乳母車を押して電車に乗ったら、乗客から舌打ちされている母親を見かけました。子どもの声は騒音なのでしょうか。

少なくとも私は子ども達の声を聴くと元気をもらえるのですが…。

心に余裕がない人が増えたのでしょうか。こんな時代だからこそ「人を心から愛する」精神が必要とされているのではないでしょうか。

 

山梨 薬王寺 小野芳幸