お寺からのメッセージ

2022

12師走

December

「経路未だ知らず岐に臨んで幾たびか泣く」

「近道はわからない。岐路に立って何度泣いたことだろうか」といった意味です。皆さんも人生の岐路に立たされ、何度も苦悩された経験があるのではないのでしょうか。宗教的天才であるお大師様ですら逃いながら悟りの道をお探しになりました。

私たち生身の人間は日々、迷うものです。人生に近道はなく、要領よく結果を出すこともできず、自問自答する日々です。

お釈迦様にパンタカという弟子がいます。自分の名前も言えず、お経も読めず、お釈迦様の説法が理解できません。お釈迦さまは彼に箒を与え、掃除だけに専念しろと諭されます。長い間、ひたすら掃除を続けた彼は、ついに悟りを開くことができました。出家者としての岐路に立たされた彼はお釈迦様の導きによって自分の進むべき道を得ることができました。師は必ずあなたの身近にいるはずなのです。

その教えを地道に実践することによりある種の悟りを開くことができるのです。

 

山梨 薬王寺 小野芳幸