2025 年
4月 卯月
April
「冒地の得難きにあらず、此の法に遭うことの易からざるなり」という言葉があります。
これは悟りを得ることではなくそのための教えと出会うことが難しいという意味で、弘法大師空海が唐に渡り、恵果和尚と出会って真言密教の秘奥を伝授されたことを表したものです。
この言葉について、私の祖父の話となりますが、祖父は若い時にある名僧についての記事を読み「この人に弟子入りする」と一念発起し家を飛び出す勢いでその方のもとへと向かい、熱意を認められて無事に弟子入りし真言宗の僧侶となりました。祖父にとってはまさに御師僧が恵果和尚だったのでしょう。
その後、縁あって兄弟子から祖父が寺を引き継ぎ、また父へと受け継がれてきました。そして色々な人との出会いの積み重ねによって私も真言僧の末徒としての道を歩んでいます。
人類の発展の代償か、現代社会は真偽定かならざる情報が溢れかえる迷い多い時代となりました。時にはご自身の菩提寺やお近くのお寺に立ち寄ってみませんか。人生を心穏やかに過ごすための真理に触れられるかもしれません。
西群馬支所 福田寺 松永慈考