お寺からのメッセージ

2024

7文月

July

「耳に逆ろうて心に入れず」

自分の都合のいい話や、心地よい言葉ばかりを聞き入れて、本当に必要なものに対し耳を塞いでしまうこと

 

「君たちは怒られたり注意をされたりする経験がなさすぎる」。これは、私が修行中に師匠から言われた言葉です。

私たちはどうしても、厳しい言葉や注意に対して身構え拒否をしようとします。卑屈になり、素直になれないこともあります。それは年を重ねるとなお顕著になるような気がします。当時の私はまさに「耳に逆ろうて心に入れず」状態でありました。注意やお説教を「善意」と感じず「悪意」に近い感情でとらえてしまっていたのです。だからこそ師匠は冒頭の言葉を仰ったわけです。

心地よい言葉だけではなく、耳障りな言葉や忠告を一度心に留め、受け入れることも必要です。このような言葉こそが私たちを成長させる大事なものなのかもしれません。耳を塞がず素直に心に響かせること、師匠を思い出し改めて自問自答しています。

 

埼玉 弘法寺 森俊海