お寺からのメッセージ

2022

5皐月

May

私の幼少の頃のお話です。父の実家(お寺)に行った時の事、境内で走り回って遊んでいた私は何かにつまづき転びそうになり、とっさに手をつきましたが、何と手をついたところにはサボテンがありました。

当然手のひらには無数のサボテンが刺さっていました。火のついたかのごとく泣き叫んでいると祖母(住職)が寄ってきて、私の手のひらを見るや否や自分の手をかざし、なにやらごにょごにょと(今思えば何かの真言)言っていました。

暫くすると、あれ程痛かった手から少しずつ痛みが取れていきました。そして祖母が一言「もうこれで大丈夫だよ」。かざしていた手をよけると無数に刺さっていたサボテンがきれいに無くなっていました。驚いた私は祖母に何で無くなったのと聞くと、祖母は「世の中には摩訶不思議なことが起こることもあるんだよ」と言いました。

お大師様のお言葉にも「四大の乖(そむ)けるには薬を服して除き、(中略)呪功は通じて一切の病を治す。『十住心論』序」とあります。「からだの病気を治すには薬を吞まねばならぬ、(中略)法の功力は通じてすべての災いをのぞくのである」と、まだまだコロナ禍の中にいる私達、皆で念じれば加持(法)の力がより大きなものとなり摩訶不思議なことが起こるかもしれません。 合掌

長野市 金剛院 井口靖章