お寺からのメッセージ

2024

12師走

December

「気配を感じる」

例年にない10月までの残暑もようやく落ち着き、野に山に草木は色どりに紅葉するする季節。

少し肌寒い風は私たちに晩秋の訪れを知らせてくれます。

生きとし生けるものが本来備わっている全ての感覚を研ぎ澄ますことで、気づく能力は飛躍的に伸びる。

高野山での修行時代、「気づく心を大切に」という言葉が心に残っている。

相手の呼吸、声、所作、目の動き、すべてを感じることで考える頭を持ち行動に移せる。

そのためにもまずは、恥ずかしがらず自分をそのままの感覚を受け入れること。

『医王(いおう)の目には、途(みち)に触れて皆藥なり。解宝(げほう)の人は、鉱石(こうしゃく)を宝と見る。』

「般若心経秘鍵」

身近な所で自分の感覚で見て聞いて触れることはすばらしい価値があり、学び成長させるために特別な糧になるそれに気づくことでいつからでも学ぶことができる。

逆に自分でも吸収しようと思わない限りは、何も自分の中に入ってこないというのです。

今年も残り一か月、私も窓枠の埃に気付いたので報恩謝徳を胸に一歩と言わず二歩三歩と早めに大掃除に取り掛かりたいと存じます。

 

相模 安楽寺 玉園泰弘