2024 年
3月 弥生
March
「道を開いて動かずんば、千里いずくんか見ん」
令和6年の春彼岸は3月17日から3月23日までです。彼岸とは到彼岸の略称で波羅蜜多ともいいます。私たちが迷いの此の岸から悟りの彼の岸に到るために修行する期間であります。
到彼岸の方法には布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の六つの徳目があります。布施とは施しをすること。持戒とは戒を保ち節度ある生活をおくること。忍辱とは困難に耐え忍ぶこと。精進は弛まず努力を積み重ねること。禅定は心の寂静を保つこと。智慧とは他の波羅蜜多を実践し、私たちの中にある仏様の智慧を磨くことであります。
お大師様は「性霊集」の中に「道を開いて動かずんば、千里いずくんか見ん」というお言葉を残しておられます。
大意は教えを聞くのみで、実践しなければ、遠い目標に到達することはできませんという事です。お彼岸は仏道に励むための強調週間であります。この期間は普段よりも六波羅蜜の実践に励むことで、私たちひとりひとりが、生きづらいこの世界から悟りの世界に一歩でも近づけるように精進してまいりましょう。
福島 如来寺 安達照純