お寺からのメッセージ

2024

11霜月

November

「香を執れば自から馥し、衣を洗えば脚浄し。」

香を持てばおのずからその香気にそまるものであり、清らかな水に衣を洗えば自ら足も浄くなる。このようにすべての物は感じやすく、他からの影響を受けやすい。

先日、檀家の方から息子さんが不治の病で余命宣告を受けたと相談を受けました。病気であり、余命が過ぎていても音楽が好きで楽器を演奏する仕事をされ毎日が充実しているそうです。

幸福とは充実感であり、財があるとか立派な会社に勤めているといっても、そういうことで人は幸せにならないのです。

幸福とは生きていることに意味があるという充実感であるのではないでしょうか。

諸行無常は不変と言われますが、私たちは限りある命をどう生きるか考えさせられるものであります。お釈迦様の教えで、「世俗の事柄に触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく汚れを離れ、安穏であること、これがこよなき幸せである」とあります。

世の中に触れても、心を乱さず安穏である事。難しいことですが、自分の心を見つめなおし充実した日々を過ごすことが幸せである。

 

埼玉 観福寺 大滝竜真