お寺からのメッセージ

2024

6水無月

June

「仏心とは慈と悲なり」

最近、こんな話がありました。

新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが不足する中、甲府市の中学一年の女子生徒(Tさん)が、3月17日手作りマスク612枚を山梨県に寄付しました。そのマスクは、高齢者施設や児童養護施設に届けられました。

Tさんは、2月中旬薬局に行ったとき、高齢女性がマスクを買えず途方に暮れている姿を見て「かわいそう、私にも何かできることはないか」と思い、Tさんが小さいころからためていた、大切なお年玉貯金をおろし、マスクの材料の布とガーゼとひもを買い揃え、自分でマスクを作ったそうです。

Tさんのこの気持ちは、仏教でいう慈悲の心そのものです。

「仏心とは慈と悲なり」

とは、私たち一人一人の心の本質は、仏心そのものであり、「慈悲」とは、人々の苦しみを抜き楽しみを与える心であると説かれています。

今、私たちは試され問われています。他人が何をしてくれるのではなく、自分が何ができるか今一度考えてみてはいかがでしょう。日本人の長所、誠実さ、助け合う気持ち、忘れずにいたいものです。

 

熊谷市 雨宮隆宣